
3月8日読売新聞朝刊第6面に、昨年研究・開発した「臓器提供迷ってますカード」と「対話・意思決定支援ツール」が紹介されました。
本研究は、センターが行っている研究テーマの一つ「行動科学を基盤とした科学的根拠に基づく臓器移植啓発モデルの構築に関する研究(厚生労働科研・瓜生原班)」の一環として行ったものです。
関連部分のみの掲載なので、ご購読されている方は、当該紙をお読みいただければ幸いです。

長年、臓器提供意思表示行動の研究をして辿り着いたのは、
「重要なことだから、今すぐYES/NOは決められない(迷っている)⇒後で考えよう⇒そのまま忘れる」
ことが意思表示がなかなか進まない理由ではないかということでした。

「今すぐ意思決定しよう」というのではなく、「迷ってもいいんです」と迷いに寄り添い、さらに、迷ったままではなく、次に進もう(情報を調べたり、家族や友人と話してみよう)とすることで、市民の心のハードルを下げつつ、忘れたままにしないように試みました。

しかし、「家族と話そう」といわれても、なかなか話をきりだせないと思います。
そこで、楽しみながら家族や友人との対話が進むツールを岡部格明先生(同志社大学文化情報学部)と開発しました。
このツールの鍵は、二人1人で取組むこと、二人の結果をみながら、対話が生まれる様々なしかけをしていることです。
是非、ご家族・ご友人と試してみてください!
「臓器提供迷ってますカード」について、端的に説明した動画は以下のとおりです。
昨年、334名の学生に対して調査を行ったところ、「迷ってますカード」は現在の「意思表示カード」より有意に記入の抵抗感を下げており、かつ、臓器提供の情報を調べてみよう、友人や周囲の人と話そうという行動意図が高まることが確認されました。
中学・高校の教育をされている先生方も使い始めてくださっており、「その場でYES/NOを決めるのではなく、意思決定をするための行動を明確にできるのがよい」「さらに対話のツールにつなげているのがいい」との声をいただいており、有難い限りです。
2023年に行った全国約1万校の中学校に対する調査では、6割が、道徳において臓器提供を通して生命の尊重について考える授業を行っています。
しかし、中学生の親への調査では、その授業について家で対話している家庭は、その2割に留まっています。
「臓器提供迷ってますカード」と「対話・意思決定支援ツール」の組み合わせが、学校で学んだ生徒が家族と対話を行うきっかけになればよいなと思います。
さらには、様々な場面で「迷ってますカード」や「対話・意思決定支援ツール」を使っていただけるよう、今後も社会実装研究を進めていこうと思います。
「使ってみたいな」と思われた方、是非、お知らせください!カードをお送りします(^ ^)
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